黒ナンバー(軽貨物)にも、業務前・業務後の点呼と、その記録の1年間保存の義務があります。 ひとりで営んでいる場合も対象で、自分自身に対して点呼(酒気帯びの確認など)を行い、記録を残します。
点呼は「業務前」と「業務後」の2回
貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条により、運送事業者は運転者に対して業務前・業務後に点呼を行います。黒ナンバーもこの「運送事業者」に含まれます。確認する内容は次のとおりです。
| タイミング | 確認・報告する内容 |
|---|---|
| 業務前 | ① 酒気帯びの有無(アルコール検知器を使用)② 疾病・疲労・睡眠不足など、安全な運転ができないおそれの有無 ③ 日常点検の実施またはその確認 |
| 業務後 | 業務に使った車両、道路や運行の状況の報告。酒気帯びの有無の確認 |
ひとりで営む個人事業主の場合、他人に点呼をしてもらうことは通常できないため、これらの確認を自分自身で実施し、記録として残す運用になります。
点呼記録簿に書く項目
点呼を行ったら、運転者ごとに次の事項を記録します(同規則 第7条第5項)。
- 点呼を行った者・受けた運転者の氏名
- 車両の登録番号(ナンバー)など、車両を特定できる表示
- 点呼の日時
- 点呼の方法(対面・電話など)
- 報告・確認・指示の内容(酒気帯びの有無、体調、日常点検の実施確認など)
この記録が、いわゆる点呼記録簿です。決まった帳票の購入が必要なわけではなく、上の事項がそろっていれば様式は問われませんが、監査(巡回指導)では提出を求められるため、日付で探せる形で整理しておく必要があります。
保存期間は1年
点呼の記録は1年間の保存が義務です。紙のノートの場合、1年分の綴りを紛失しない管理と、月をまたいだ検索のしづらさが実務上の課題になります。国の処分基準では点呼の実施は点呼記録によって確認するとされており、記録がなければ点呼そのものが未実施と扱われ得ます。詳しくは罰則と行政処分の記事で解説しています。
K-Note では、業務前・業務後の点呼をスマホの画面で記録でき、アルコールチェックの結果・体調確認・日常点検の実施確認まで法令の項目に沿って残ります。日時は自動記録、保存はクラウドなので紛失がなく、監査時は対象期間をPDFで出力するだけです。
よくある誤解
- 「1台だけなら対象外」→ 誤り。台数や従業員数にかかわらず、貨物軽自動車運送事業者はすべて対象です。
- 「ひとりだと点呼のしようがない」→ 誤り。確認事項を自分で確認して運行の可否を判断する自己点呼が認められており、この場合、点呼方法の欄は「対面」と記録します(国土交通省の様式例 注1)。K-Note の点呼記録でも、点呼方法は自動で「対面」として記録されます。
- 「検知器の数値まで記録しないといけない」→ 誤り。記録の義務があるのは「アルコール検知器の使用の有無」と「酒気帯びの有無」で、測定値(数値)の記録義務はありません。国土交通省の様式例にも数値欄はありません。
- 「署名・押印が必要」→ 誤り。法令上、署名・押印の義務はありません。保存も紙・電子のどちらでもよいことが国の通達で明示されており、紙のノートやハンコがなくても記録は成立します。